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備前焼天野智也

Category : 作品について

焼色

備前焼は釉薬を使わない焼締陶です。

土と燃料の松割り木の灰のつき具合によって色付けされていきます。

二つの同じ土でできた叩き皿。

備前焼 叩き皿 ぼたもち

備前焼 叩き皿 ヌケ

赤い皿は火のよく通る所で灰が付着して焼けたモノ。
青い皿は薪のオキに埋もれながら焼けたモノ。
土は窯詰の場所を変えると、焼色をまったく別のものにしています。

さらに一枚の皿の上にも灰があたる所とあたらない所をつくり、
丸い模様の『ぼたもち』という名の景色や
幾何学模様の土の板を置いてそのカタチの『ヌケ』という景色をつけていくのです。

その作行は、その昔、効率よくたくさん窯の中に詰めて焼くために重ねて焼いたのが
はじまりです。しかし現在では作り手の意匠がほとんどです。

窯詰めのやり方によって焼色を決める技法です。
センスが問われるところです。

-やきもの屋 主-




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新しい皿

七寸皿。

備前焼 七寸皿

パスタやカレーなど洋食にも合うような器を、
と作った少し深さのある皿。

初めて手がける作品は、まずイメージを思い浮かべて、
それを平面にアイデアスケッチしてから立体に。
しかしモノによってはうまくいかないことも。

立体制作してみたらイメージと大分違っていて、全然別のモノになってしまった、
なんていうこともあります。

反面、立体になったことでイメージやスケッチでは気が付かなかった問題点が
修正できて作品がより良くなることもあります。

素材感や作り手のタッチなど形になってみて初めて感じることもあるのです。
作りながらどんどん良い方向に仕上げていくのです。

器としての印象や使い勝手など真のところは
焼けて出てこなければ分かりませんが‥。


一番良いのは、やはり焼き上がって使ってみて『おっ シックリくる!』というモノですね。

それ作るにはより鮮明なアイデアイメージとそれを正確にカタチ作る技術、
そして繰り返し作り、何度も失敗を修正し、良い作品像を蓄積させること。
どれもが必要なことなのです。

  -やきもの屋 主-



備前の土

これは備前の原土。

備前土の原土

地面の下4、5mのところで層をなしていた土です。

黄色い方が上の層、グレーが下の層でした。
これから細かく砕き、不純物を取り除いてから水に溶かして『粘土』にします。

黄色い土は鉄分が多く色が付きやすい。反面、鉄分の影響で耐火度が下がるため
変形しやすくなります。
グレーの方はオーソドックスな土。耐火度も高く扱いやすいが
十分に温度を上げないと焼きが甘くなってしまいます。

同じ窯に入れて焼くには土をブレンドして性質を均一化するのが一般的な方法ですが
私は、確保している十数種類ある原土をなるべく混ぜずに土つくりをして焼きます。

上手く焼くには窯の中のどの位置に置くか。それに尽きます。

古窯を模している窖窯(あながま)は窯の中は温度分布がバラバラですので、
あまり温度の上がらない場所がどうしてもあります。
そんな場所に黄色い土を置いてやるのです。
そうするときれいに色が出て、形も崩れず良い形に焼きあがります。
火の強いところにはグレーの土や、もっと耐火度のある土を、
というように、温度分布を把握してその温度できれいに発色する土を選んで配置していきます。

窯の中の温度を窯焚きによって均一に持って行くというのが定説ですが
あえてバラバラの温度分布を利用して耐火度の違うそれぞれの土をうまく焼こうとしています。
その土の持っている個性を引き出すように…

どの土で器を作るか?そこから作品つくりがはじまります。

  -やきもの屋 主-



取合せ

ある日の昼食風景。

備前スープカップと古い白磁皿

備前焼の器を焼いていますが、使う器は備前ばかりではありません。
染付、粉引き、唐津に瀬戸や…。古いものもあれば、尊敬する作家モノも。
自作の器は使い勝手をみるために、また客観的な意見を得るために
必ず家族に使ってもらいます。
そのときに、違う素材の焼物や器と取合わせて使います。
なぜか。

ふつう、一般的な家庭の食卓は、備前の器ばかりでないのが当たり前です。
その人のお気に入りの器たちのなかにはいろんな顔があると思います。
以前買ったものや、いただいた器。もしかしたらその人の自作もあるかも。
それらの器の中に、私の作った器が入ったとき、
『スッと溶け込む。』ように馴染むモノを作ろうとしているから。

私の作る器は、あまり主張しすぎないように、
少しおとなしいくらいの姿に作りとめます。
料理が盛られて完成されることを意識して。そして…
普段使われている器たちといっしょに使ってもらう、
『その家の仲間に入れてもらう』という感覚で制作しています。

  -やきもの屋 主-



制作について

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焼き物の原点である“土を焼く”ということに、こだわり
制作しています。長い年月をかけて地中に堆積してできた土。
その自然のままの土を採り、陶土をつくり、自分の意志を
注ぎ器をつくる。薪で窯を焚く。
私の作品は、自然との調和を目指しています。
そして、人々の生活にとけ込むように。

器を手にしてくれる人が作品を通して新しい発想が生まれたり、
心が豊かになれたら、作り手として幸せです。

制作は、土づくりから成形、窯詰めから窯焚、作品の仕上げ、
すべて自分で行っています。そのため、大変な時間と労力が
かかります。現在は、全長約10mの窖窯を年1回のペースで
焚いています。火を入れてから、約8日間焚き続けます。
柚薬は使わず、松割木(薪)の灰だけで景色をつけています。

それぞれの作品は、窯の中で炎に焼かれて、自然の土の色と
薪の灰の色とで、見事に変化します。
その変身の手助けが、私の仕事だと思っています。

プロフィール

天野智也

Author:天野智也
備前 やきもの屋家族のブログ。
やきもの屋・主 と
カミさん(ママねこ)の
日々のくらしや仕事について。
ついでに猫2ひきのお気楽な
日常も・・・

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